姉妹。

  

 

 

 

 

試合残り5分、姉が投入された事で姉妹は、なでしこリーグの舞台で初めて一緒にピッチに立つ事になった。

 

 

  

 

ここで言う『姉妹』は本当の姉妹ではない。

見てるこっちが勝手にそう思ってるだけ。

 

  

 

 

妹が中学1年生で入ったチームの3年生でいたのが姉。

そしてずっと妹の憧れの存在…

(という情報を、私は小耳に挟んでいる)

 

 

  

 

その二人が時を経て社会人で同じチームに。 

 

 

 

 

中々出場機会に恵まれなかった姉だが、

ようやくその時が来た。

 

 

 

 

 

  

 

 

 

 

  

 

 

 

 

 

 

 

  

 

 

 

  

 

 

 

  

 

 

 

 

 

『□□が◯◯◯ちゃんと一緒に試合に出てる……』

 

 

 

脇で嫁さんが声を震わせながら呟いた。

 

 

 

  

 

 

 

嫁さん、たぶん泣いているし

私も泣いてる…(笑)  

  

 

 

  

 

  

 

 

  

 

 

 

 

 

試合は、無事なでしこリーグ初勝利をおさめる。

  

 

 

  

 

 

 

  

 

 

 

 

 

  

 

 

 

 

 

 

試合後、姉妹で私たちのいるスタンドに寄ってくれた。

 

 

  

   

 

 

 

 

 

 

 

 

「なんで泣いてんのよ~~~~?(^^)」

 

と、2人で同じ反応(笑)

  

 

 

  

 

 

 

 

 

私たちが、2人が一緒にプレーしている事がとても嬉しい事、そしてもっと長く同時に出場できるようにいつも願っているし、ずっと応援している事を伝えた。

 

  

 

 

それに対し

妹の方がこんな事をあっさりと言った…

 

 

 

   

(2人がもっと同時出場する為には…) 

『◯◯◯ちゃん(姉の名前)がもっと頑張ってくれないと…』

 

  

 

 

 

それに対し…

 

 

 

 

「はい、頑張ります……m(__)m」

  

 

と、姉は頭を下げた。 

 

 

 

 

 

 

 

 

予想外の言葉に、予想外の反応。

だけど、スッキリ爽やかで、とても素敵なやり取り。

 

 

 

 

そこには、アスリートとして本来あるべき姿を私は感じ取れた。

 

 

 

 

   

 

 

  

  

 

 

 

 

 

 

彼女らは、私の想像を超えたところで日々戦っている。

 

 

 

  

 

 

 

 

 

結局のところ、黙って見守るしかないのだろう。

 

 

 

  

 

 

 

  

 

きっと彼女たちの周りには、こんな人が沢山いる。

尊敬するし、羨ましくもある。