ミーティング。

 

 

次の対戦相手は、相当に強いみたいで

前の試合を20点以上取って勝利していた。

 

 

 

我がチームも

さほど強いわけでもない。 

 

  

  

  

  

 

   

  

 

 

 

 

 

なので、試合前のミーティングで

こんな事を子どもたちに言ってみる。

 

 

  

   

 

  

 

   

  

 

 

 

  

 

 

 

   

 

 

  

 

『お前らは10点以上取られて負けるはず……』 

 

 

 

  

 

   

 

 

   

 

 

 

  

 

 

  

 

「いや、それは流石にねーよっ!」

 

と、子どもたちが答える。

  

 

 

 

 

 

  

  

 

  

 

 

 

  

『いやいや、ぜんぜん取られるでしょ…』

 

と、コーチは煽ってみる。

 

 

  

   

 

 

 

  

  

 

  

 

「絶対ない!」

 

と、断言する子どもたち。

 

 

 

 

 

  

  

 

  

 

  

 

 

  

  

 

  

かくして

『コーチvs子どもたち』という

おかしな別の戦いも含み試合が始まる。

 

  

 

  

 

  

 

  

  

  

 

 

 

  

 

  

 

  

 

 

 

開始早々に

アンラッキーな失点をしてしまう子どもたち。

 

  

 

 

  

 

 

  

 

  

 

  

 

 

  

 

 

  

 

『ほらね……』

  

 

 

と、コーチがピッチに聞こえるように呟く。

  

   

 

  

 

  

  

  

  

  

 

 

もともと、子どもたちはかなりの気合が入った状態で

試合に臨んでいたのではあるが、そこから更に目の色が変わる。

 

 

 

  

 

  

  

 

  

  

 

  

 

  

  

  

 

 

 

  

 

  

   

  

  

 

試合終了。

  

 

   

  

 

 

  

  

  

  

  

   

  

 

  

  

  

 

 

 

「どうだ、見たかっ!」とばかりに

胸張ってベンチに戻ってくる子どもたち。

 

全員出場したせいか、ベンチにいた子も胸張ってる。

そして、帰ってきた仲間を労ってる。

 

コーチは、試合前の無礼を平謝りする。

 

  

  

   

  

 

 

 

   

  

  

  

 

   

  

 

 

  

  

 

  

 

  

  

 

『0-4』で負けて、

胸張って帰って来る子どもたちを初めて見た瞬間です(笑)