ルイージマンション。

近くの小学校にボールを蹴りに。

残念な事に運動会前の為、お目当てのサッカーゴールは撤去されており

止むを得ず、壁に向かってシュートを打つ事に。

 

持っていったボールを8個ならべ、的を狙って連続でシュート。

距離は7〜8メートル、的は直径約1メートル、高さは1.5メートルぐらいのところ。

 

8本連続で打って

何本、的に当たるか? そんな事を繰り返す。

当たるのは3〜4本、良くて5本

 

『6本は当てる・・・』

と、宣言する息子。

『じゃあ、6本当てたら帰ろうか…』

と、私。

 

もうだいぶ暗くなってきたし、お腹も空いたので

成功・不成功に関わらず

『もう最後にして帰ってもいいかな…』

と、思いはじめたその時

 

 

 

 

まさかの6本連続成功

 

 

もうこの時点で、自分に課したノルマを達成。

 

あとは記録に挑戦するだけの

7本目のキックの助走に入ろうとする時に…

 

 

 

 

 

『全部(8本)当てたら、ルイージマンション(3DSのソフト)買おうか…』

と、私が提案。

 

 

 

ちなみに『買ってあげる…』ではない

あくまでも私が自分の為に『ルイージマンション』を買うのである。

もちろん、それを私が買えば息子もやりたいゲームにありつけるのである。

 

 

 

『 まじかぁ〜〜  ちょっと待ってよ…… 』

入ろうとしていた助走を中断して、ふかくふかく深呼吸をする。

 

 

 

しばらくの間をおいたのち

 

 

的を見つめ、『ふっ〜』と最後の息を吐き

胸を拳でポンポンと叩きキックの助走に入っていく。

 

 

その様子はまるで

国民の期待を一身に背負いPKを蹴る代表選手さながらだった(笑)

 

 

『ちょっとカッコイイ…』

と、思った私がいたが

 

 

『 あっ! コイツはゲームソフトの為に、こんだけ集中してんだな… 』

と思い直し、テンションをすぐに元に戻す(笑)

 

集中してのぞんだ7本目のキックは美しいフォームでキックのミートもばっちり

美しい軌道を描き、的を捉える。

 

蹴った瞬間に

『当たる!』

とわかるキック。

 

正直、文句のつけようがなかった。

 

 

 

 

『キターーーーーーーーーーーーー!!!』

と、両拳を天に向かって突き上げる。

 

まるで

全てのプレッシャーに打ち勝ち、

開放された瞬間のアスリートのように。

 

 

 

 

 

もう一度言うが

彼はゲームソフトの為に戦っている。

 

 

 

 

拳を天に突き上げたのもつかの間

すぐにモードを変える。

 

そうだ

ゲームソフトをゲットするにはもう1本当てる必要がある。

 

 

7本目と同じ要領で集中し、キックに入る。

 

今思えば、7本目とは少し雰囲気が違っていた。

右足から放たれたボールは、先ほどとまったく逆の

打った瞬間に『外れた…』とわかるキック。

 

 

本人も蹴った瞬間にわかったのだろう

ボールが的を外れるか、外れないか…ぐらいのタイミングで

地べたに大の字になって横たわっていた。

 

 

抜け殻…

(少しの時間)

 

 

それを見て、ドイツワールドカップで予選リーグ敗退が決定した時の

ピッチに寝転がる中田英寿を思い出した。

 

しつこいようだが

彼はゲームソフトのために戦った。

 

そして、負けた。

 

 

その頬には校庭の砂が沢山ついている。

 

 

 

 

 

 

まあ、帰りにジュースぐらいは買ってやろうか(笑)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さて

これでは、ただの親バカブログになってしまうので

この外れた8本目のキックをコーチ目線で検証してみましょうか(笑)

 

7本目のキックは完璧。

正直驚いた。『外す…』と思っていたし、

外さす為に「ルイージマンション」を提案したので(笑)

 

 

 

問題はそこからの8本目

『なぜ彼は7本目の感覚を残せなかったのか…』

という疑問を残こしつつ

 

 

あと1本で…という状況まできたことで

おそらく彼の意識は

『的に当てる事』にいってしまったのだろう。

もっと言うなら

あと1回的に当てればゲットできる『ゲームソフト』にいっていた。

 

では、どうすれば良かったのだろうか

大事なのは『ボールに集中する』ということだと思う。

 

あと1本当てればゲームソフトゲット

その為には、『ボール』を的に当てる必要がある

その為には『ボール』をしっかりとける必要がある。

 

こんな考え方をすればわかり易いと思うが…

 

的を見る

ボールの軌道をイメージする

そのボール蹴るにはボールのどこを捉え、どんなキックになるのかをイメージする。

最後はそのキックのイメージ通りに『ボール』を蹴る事だけに集中する。

 

簡単に言えば

シュートを打つ前にガッツポーズを考えてるヤツはゴールを決めることは出来ないのである。

 

決定的な場面でシュートが外れる事が良くあるが

大半はこれだと思う。

 

では、どうやってそれを克服していくか?

 

ひとつは反復練習。

何度も何度も練習することでその動作を身体に染み込ませる。

本当に染み込んだものは、大事な場面でもパフォーマンスとして出てくる。

 

もうひとつは今回の「ルイージマンション」の追加だ(笑)

 

指導チームで朝集合した際に試合を想定してPKの練習をしたことがあるが

『次、外した子は、今日は本当に家に帰ってもらう…』

(もちろん嘘だが信じ込ませた…)

と言って蹴らせたら、ほとんど子が外した事がある。

それを言う前は、ほとんどの子が決めていたのに…

 

 

そんな状況を作ってあげることで

『本番』までとはいかないが『本番に近い状況』を作り出すことできると思う。

 

反復練習は正直飽きる。

本人の「興味」をそそる何かを与えてあげる事が重要だろう。